こんにちは人事の夏沢です!
2022年度新卒採用について書いて参ります。
例年、新卒採用には傾向と対策があり、それが各年の求人倍率や内定率に繋がります。
通常であればいきなり大きく傾向が変わることはないのですが、2021年度新卒採用を直撃したコロナ禍により2022年度以降は新卒採用の潮目が変わる可能性があります。
そんな2022年度新卒採用について、新卒採用も長年担当してきた企業人事の目線で書いて参ります。
2022年度新卒採用で就活をする皆さまのお役に立つと思います。
2022年度新卒採用へのコロナ禍の影響は
2022年度の新卒採用について企業人事の採用担当の視点から本音と現実を書いていきます。
念のため本記事内の2022年度新卒採用が何を指すかを補足しておきますと2022年3月末で大学を卒業して、2022年4月1日付けで企業に新卒入社するために就職活動をする方を2022年度新卒採用としております。
2022年度新卒採用を考える上でのポイントはコロナの影響をどの程度引きずるのかです。
そういう意味では、本稿は2022年度がどうなるのかを考える上で、まずは2021年度新卒採用がどうのような年であったかを振り返ってみたいと思います。
2020年度新卒採用に比べて2021年度新卒採用は潮目が変わりました。
2022年度新卒採用を考えるために2021年度新卒採用を振り返ってみる
超が付く売手市場であった2020年度新卒採用。
2020年10月時点での内定率は88.7%でした。その前年2019年10月時点での内定率は93.8%でした。
ちなみにその前年はほぼ同水準であったのでやはり2020年10月つまり2021年度新卒採用においてはー5.1%ということでマイナス方向に転じたということがわかります。
ただ、ー5.1%はいい意味で意外でありまして、正直もっとマイナスになってもおかしくないと思っていました。
理由は、2020年6月時点では対前年比の就職内定率がー3.4%と大きくマイナスになっていたからです。
結果、10月までにこのマイナスが縮小することになりますが、当時はこのままマイナスが縮小せずに就職内定率が厳しいものになるという感触も持っていました。
2021年度新卒採用におけるコロナ禍直撃の舞台裏
筆者は新卒採用の実務の真っただ中に身をおいていますから、その時の企業側の本音や動き、つまり舞台裏を書いてみましょう。
新卒採用は例年3月1日が就活解禁日。今後は通年採用化していくと言われていますが、現行では3月1日に各社の情報が本格的に就活学生に届きます。
一方、その3月1日を迎えるまでには各企業で様々な事前準備が行われています。
インターンシップはその代表ですし、他にも採用ツールを作成したり、会社説明会用の資料を準備したり、会場を抑えたり。
そしてその事前準備の中で最も重要なのは採用計画です。
つまり何人採用するのかについての計画。
そしてその採用のためには各選考過程でどの程度の人数に通過してもらうのか。
さらに遡れば採用人数がなぜその人数なのかという段階から新卒採用選考の準備が始まり、3月1日の就活解禁日に至る訳です。
そういう訳で3月1日にはすでに各選考での想定通過人数とか面接に来てもらう人数とか、最終面接の時点で何人、内定出し何人という計画が完成している中でのコロナ直撃だった訳です。
3月1日の就活解禁日、各企業の新卒採用担当者の気持ちはこんな感じだったと思います。
2021年度:採用担当の気持ち
コロナが拡大しているけど採用数どうしようか
おそらくそこまで長引かないと思うので一旦従来通りの想定で
コロナの影響が長引いたら自社にも影響が出るかも
思ったより影響が長引いたり深刻化してきたら途中で採用計画を修正しよう
このような心理の流れだったと思います。
特に2つ目の「おそらくそこまで長引かないと思うので一旦従来通りの想定で」というのが正直なところで、3月当時はまだここまでの深刻化は想定されていませんでした。
よもやオリンピックが本当に延期になるまでになるとは半信半疑の状態。
ちなみにオリンピックの1年延期が決まったのが3月30日のことです。
今となっては当然と思われるかもしれませんが3月初旬時点ではまだまだコロナの影響の長期化が全社会の共通認識にはなっていないタイミングです。
ただ、3月と言えば各地で就活イベントが開催されたり、各社の会社説明会が行われまくる時期。そんな中3密を避けるために各社急ブレーキを掛けました。3月後半頃には「コロナの影響が長引いたら自社にも影響が出るかも」という雰囲気が広まってきます。
特に人の往来が自社の業績に直結する業界や職種では、「新卒採用一次中断」という流れが出て来ました。
この時点では一時中断であって中止ではないのですが、後々中止にいたる企業も出ました。
「最初は対岸の火事だった」なんていう表現もされていましたが、まさにそのとおりだったと思います。
新卒採用計画を急遽変更?それともそのまま?別れた各社の対応
そのような流れの中で企業人事としては「自社の新卒採用をどうするか」については間違いなく再検討の場を持ったことと思います。
結果的に計画を変更しなかった企業、多少変更した企業、採用を止めるにいたった企業とそれぞれですが、採用担当の思いというのは新卒採用の計画を修正したり、ましてや止めるという決定はまさに断腸の思いなのです。
新卒入社の方というのは会社にとっては金の卵。当事者の学生や新卒社員が思っている以上に実は会社や採用担当は新卒を大切に思っています。
新卒採用を縮小するというのは会社にとっても損失ですし、将来への投資を縮小することと同意義な訳です。
実は、筆者の在籍する会社では2021年度新卒採用は若干縮小することにしました。
それでも採用自体を0にする、つまり新卒採用を止めるという選択肢はありませんでしたね。
他社でもおそらく多くの場合は同様の考えで、これを機に買手市場になるとは思っていないし、2021年度新卒採用の時点で採用数を0にするという決定までは至らなかったケースが多い。
その理由は、就活解禁日以降、採用選考を進めながらコロナ禍による市場の動向、自社の業界の需要の予測などを考慮した採用計画を再検討をするには十分な時間を確保できるタイミングでなかったことや影響度合いに確証がないということで決めきれなかったという本音もあると思います。
そういう訳でコロナ直撃の2021年度新卒採用を振り返ると、結果的にコロナ禍で採用を見合わせる企業があった中でも企業側にとって「買手市場」になるということはなく、冒頭書かせていただいたとおり若干就職内定率が下がった程度の影響ということになりました。ただし、一部業界(旅行や航空)は採用計画自体に大きな変更が生じました。それでも採用選考が進んで内定を得ていた学生がおりますので完全0のケースは少なく、このあたり(完全に0採用となるケース)は2022年度新卒採用に影響していくことになります。
そして2022年度新卒採用へ
2022年度新卒採用になるとコロナの影響深刻化は社会の共通認識となり、リストラを敢行する企業も増え、今後の需要予測を立てる時間も経ての新卒採用活動となります。
2021年度がコロナ禍で走りながらの新卒採用であったとすると、2022年度はコロナ禍を考慮、熟慮した上での採用計画による新卒採用ということになります。
さて、どうなる2022年度新卒採用。こちらの記事で「2022年度新卒採用はどうなるのか」についての企業人事の本音と現実を書いています。 2022年度新卒採用の求人倍率は一定水準が保たれているように見えますが、その内訳や内容が例年とは大いに異なる可能性があり、これらの問題が顕在化してくる 続きを見る
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