こんにちは人事の夏沢です!
企業人事が本音と現実を書くことを本旨としている当ブログですが、今回は第二新卒の転職をする際の準備についてです。
筆者は企業人事として採用や人材育成、人事制度の構築など総合的に実務を行ってきた叩き上げの人事です。僭越ですが人事の現場については詳しいですよ。
つい綺麗ごとや理想論が語られやすい人事界隈なのですが、実務からの叩き上げの現役人事管理職の視点で様々な本音と現実を書いております。
今回の記事は、「第二新卒としての転職準備と進め方」について。
第二新卒に該当する方、また現職があるけど早期退職を考えている新社会人の方(つまり第二新卒予備軍の方)、必ず役に立つ情報ですのでぜひご参考にして下さい。
第二新卒の転職はどのように進めると効果的か
本稿では、第二新卒を企業人事がどう見ているのか、第二新卒の転職はどのように進めると効果的なのか、第二新卒としてのアピールの仕方などを企業人事の経験に基づいて書いていきます。
第二新卒には第二新卒の良い所があります。しかし、良くないところ、つまり有利に働かない要素もあります。
当事者の第二新卒の方はいい気分でないかもしれませんが、本稿の目的は第二新卒としての転職を成功させるためのポイントやテクニックを企業人事の視点からお伝えすることですので、ぜひまずは気分を害さずに読み進めてくださいませ。
応援します。単純な話し新卒採用や第二新卒の転職を応援、支援できるような記事を書きたいと思っていますので、ぜひお役立てください!
第二新卒としての戦い方
某大手採用媒体サイトなどでも第二新卒は、多くの会社が採用に積極的で新卒よりもビジネスマナーを知っているし、採用する企業側もメリットばかりということが書いてあったりします。
でも、当事者の第二新卒の方でそれほど楽観的な方って少数派ではないでしょうか。
企業人事の視点から言っても新卒採用以上に第二新卒の採用に注力するというのはまずないと思います。
つまり、第二新卒には本音と建て前があり、この本音の部分から逃げずに第二新卒という存在を客観的に理解し、第二新卒としての転職の準備をしっかりした方こそが第二新卒での就活や転職を成功させることができると言えます。
ただ、ぜひご理解いただきたいのは、第二新卒という区分が武器になる訳ではないということです。
第二新卒は大いに弱みも持っています。こうして文章にすると当事者の第二新卒の方はいい気分ではないかもしれませんがここは一旦ぜひ読んでいただきのです。逃げずに越えていただきたい部分なのです。
応援しますから、ぜひ第二新卒は理想だけでは語れないということ、現実的な部分も含めて第二新卒としての適切な戦い方をお伝えできればと思います。
まずは、ぜひ【第二新卒としての転職についての企業人事側の本音】をご覧下さい。そこからの続きで今回は【第二新卒の転職準備と進め方】についてです。
第二新卒としての転職準備に最も必要なこと
第二新卒の就活や転職の準備で必要なものがいくつかあります。
最も重要なことから挙げます。それは第二新卒という立場になった理由を客観的な合理性を持って説明できる様にすることです。
そもそも第二新卒という立場でいることはイコール新卒入社した企業を何らかの理由ですぐに辞めてしまったり、社会人経験が短いという状況になった理由を抱えています。
企業人事としては正直そこに何か問題を抱えているのではないかと考えています。言い換えるならば警戒しているのです。
第二新卒についての企業側の警戒心
新卒で就活した結果ある企業に入社
↓
短期間で退職
↓
新卒採用の就活時に企業選びに失敗したということ
↓
第二新卒で入社してきてもまたすぐに辞めてしまうのでは
簡単に言えば採用しても定着しないのではないかという心配。
嫌だったり辛かったりしたらすぐに辞めてしまうのではないかということが懸念される訳です。
また、あまりにも短期間で退職している場合は企業側ではなくご本人に何か問題があったのではと思われる可能性も抱えています。
そうすると第二新卒として転職をする方に必要になるのは、次のことを合理的に説明するためのテクニックです。
第二新卒の採用選考で伝えるべきポイント
自分はすぐに辞めてしまうような人間ではない
自分は嫌だったり辛かったりしても耐えられる人間だ
やる気や能力面に問題があったので辞めた訳ではない
合理的に説明するためのテクニックと書きましたが、これは嘘をついたり話を盛ったりすることを意味していません。
ここの部分は重要で、詭弁(ごまかしの議論)を話すことはお薦めしませんし、企業人事の立場から言ってダメです。
だからこそ退職理由を合理的、つまり理屈に合うように説明をする準備が必要なのです。
ここで「自分の退職理由に合理性なんてない」と感じた方もおられるかもしれません。
おそらくそのように思った方の退職理由は次のようなものかもしれません。
退職理由の本音
人間関係が合わなかった
社風や雰囲気が合わなかった
やりたい仕事ではなかった
給料が低かった
業務量が多かった
つまり退職理由がネガティブな場合、これを合理的に説明することが難しいのではないかと感じている場合があると推察します。
しかし、これは充分に可能です。
そもそも退職理由にポジティブな理由というのはほぼありません。キャリアアップとか視野を広げたいとか色々な言い方はありますが、ネガティブな理由が全くない状態で退職するケースは定年退職くらいのものです。
これは企業人事は嫌というほど分かっていて、採用面接で一生懸命ポジティブに退職理由を取り繕ったところで本音でないことは百も承知です。
企業人事では、本当の退職理由と人物の性格や能力を知りたがっています。
取り繕った退職理由を述べることはご本人にも採用する側にもメリットはありません。
そういう訳で退職理由がネガティブでもいいということを前提にこれを客観的な合理性を持って説明できる様に準備する事が第二新卒の転職には必要ですということになります。
第二新卒の転職準備の具体的ポイント
第二新卒の転職では必ず前職の退職理由(退職前であれば退職しようと考えている理由)は問われます。
退職理由は様々ですが、合理的に説明していくために次のような順番で考えてみて下さい。
退職理由を合理的に説明するポイント
正直な退職理由は何か(自分が一番知っている)
その中で特に何が自分にとって問題となっていたのか把握する(正直な気持ちで)
面接では「前職でこういう問題を感じていました」と正直に語る
問題を感じていたで終わりにせず、「そのためにどうすべきか考えた」と繋げる
考えた結果、こういう理由で転職しようという結論に至った(こういうの部分はご自身で練って考える)
上記の理由による転職を検討した結果、御社の環境が最適と考えた
この流れで説明が出来れば、嘘はなくなります。
まず正直な退職理由を語るところから始まる訳ですから。理由そのものはネガティブでもOK。繰り返しですが採用する側の企業人事は退職理由にポジティブさを求めていませんので。
その代わり話の途中からはポジティブな表現がとても大切です。
退職理由はネガティブでも転職後の行動やポテンシャルには積極性や前向きな姿勢を感じてもらわねばなりません。
特に第二新卒の場合、社会人経験が少ない立場ですから若さを活かして行動できること、若いがゆえに学びや吸収力を含めたポテンシャルがあるということが大きな武器になるのです。
まとめ
本稿では、第二新卒の転職を行う上で必要になる転職準備について書きました。
第二新卒の転職準備と言っても色々ありはしますが、とにかく絶対に必要になるのが前職の退職理由の説明なのです。
この退職理由を客観的合理性を持って語ることが出来るか出来ないかが第二新卒(通常の転職でもそうですが)の転職の成否の別れ目です。
ここをしっかり準備しておくとそのまま転職の動機や自己PRにも自然に繋げていくことが出来ます。
前述の「退職理由を合理的に説明するポイント」をご覧いただき第二新卒としての転職準備を整えていただければと思います。
別記事にて第二新卒の強みなどについて書いておりますのでそちらもぜひ併せてご覧下さい。
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