こんにちは人事の夏沢です!
企業人事が本音と現実を書くことを本旨としている当ブログ。
筆者は企業人事として採用や人材育成、人事制度の構築など総合的に実務を行ってきた人事部門マネジャーです。
つい綺麗ごとや理想論が語られやすい人事界隈なのですが、実務からの叩き上げの人事管理職の視点で様々な本音と現実を書いております。
今回の記事は、「出世して、偉くなる会社員の特徴」という内容です。
昔に比べ働き方が多様になって来ているとは言え、まだまだ会社員として働いている方が大半ですから出世や昇格、人事異動というのは悲喜こもごも、会社員としては気になる事柄であると思いますので、本記事がご参考になればと思います。
出世して、偉くなる会社員はどんな人?
会社の中で出世して偉くなる人ってどんな人でしょうか。
やっぱり他の社員よりも頭がいい人でしょうか、他の社員よりも仕事が出来る人でしょうか。
会社で働くということに対して頭がいいとか仕事が出来るって何で測るのでしょうか。
やっぱり人事評価ですかね。そうすると人事評価が高い人から順番に偉くなっていくでしょうか。
このように書いてみると一概に頭がいい人、仕事が出来る人、人事評価が高い人がその順番どおりに偉くなっていくのかと言うと違和感を感じる人が多いのではないでしょうか。
つまり、会社で偉くなる人というのは仕事が出来るからとか人事評価が高いからという理由だけではないのですね。偉くなる人についてを企業人事の視点で考察してみたいと思います。
出世する人、偉くなる人に共通する特徴
自分で企業を立ち上げた人のサクセスストーリーは本やメディアで見たことはありますが、会社組織の中での出世した一般会社員人のストーリーは語られることがそれほど多くないので、これを考察することにはそれなりに気づきがあるのではないかと思った次第です。
これまで多くの社員と関わってきた中で、偉くなる人に共通するなと思う事項というものがあります。その共通事項を挙げてみます。
会社への現実的な貢献度が高い
口だけとか、理想論だけとか、「言うは易し、行うは難し」といったことは多いです。そんな中でつい理想や正論を語るだけの人って身近にいませんか。これは実務家ではなく評論家ですね。
時に評論家も必要かもしれませんが、やはり会社が欲するのは実務家です。自ら率先して実務をこなすことが出来る、目標達成のためであれば泥臭い役回りを担うことをいとわない、そんなスタンスの社員がいてこそ会社の業務は維持され、発展します。
このような行動が出来る人はどこかのタイミングで会社に評価される可能性が当然高くなり、結果として出世して行く姿を見てきました。
問題をちゃんと解決する
よく聞くフレーズですが、これを繰り返すのはとても結構難しいです。
問題を解決するには課題把握とその解決のプロセスがある訳で、多くの場合一人ではできません。周囲の協力や同意があってこそ問題解決にいたります。
「あいつに頼むと問題が解決する」というイメージを持たれている人はよっぽど優秀な訳ですが、社員のなかにはそんなイメージが醸成されている人っているのではないですか。
問題解決のキーマンとなっている人は結果的に会社の頼りどころとなり、そんな人が出世して行く姿を見てきました。
ハードワークから逃げない
ここで言うハードワークは内容も物量も一般社員の何倍もの仕事を課せられることです。
働き方の柔軟さや多様さが語られる昨今ですが、現実的にはそんなこと言っていられないくらい忙しい時期もあります。ちゃんと仕事を進める人、問題を解決できる人、結果を出す人のところに仕事は集中します。
上からは組織で取り組むように指示があるかもしれませんが、特定の人のところに重要な仕事は集中するのが常です。
仕事が集中して誰よりもハードにこなさなくてはいけなくても、そこから決して逃げない人が出世して行く姿を見てきました。
上司との関係性
仕事の出来る出来ないで語られがちな出世ですが、上司との関係性といった感覚的な部分も事実として絶対に影響します。
ただし、これは上司をよいしょし、媚びることで上司に気に入られるということを意味しません。
よく仕事が出来る、よく仕事を頑張る、上司にとっても必要不可欠な存在であることによる上司との良好な関係性です。
上司が仕事上無視出来ないほどの業務遂行力がある人は、おのずと上司や上層部から人気が高い社員となり上に引っ張られる形で出世して行く姿を見てきました。
利他的な考えと行動
会社員である限り利益の追求は必要ですが、時に利他的な考えと行動も必要です。
社内の同僚や部下に対して利他的である人は立派ですし、実は協力的、協調性が高いという評価を得ている場合が多いです。例えば、長期休暇を取得するとき自分のことはさておきチームのメンバーの休暇を優先する、何か福利厚生的な制度があればその利用も自分優先ではなく他社員を優先する。
つまり、他者をおもんばかり、他者の希望を優先する様な行動ができる人はいつの間にか信頼が厚いものとなっています。
利他的な考えや行動が嫌味なく自然にできる人が、他人同士の集まりである会社という組織内では特に信任を得ることとなり出世して行く姿を見てきました。
与えられた役割をきっちり、しっかり
偉くなる人も最初からそうなることを意識していたわけではありません。
各段階に応じて与えられた課題に向き合い、きっちりしっかり対応することを積み重ねることで段階があがり、当然難易度も上がりますが、それでも都度きっちり、しっかりを維持することができる人。
重要なポジションに置いてもきっちり、しっかりやってくれるだろうという期待を感じさせる人が出世して行く姿を見てきました。
様々な分岐路の先にあるもの
会社員生活は長期戦で障害物のあるマラソンの様なものです。
入社時に一番成績が良かった人がそのまま出世するということではなく、色々な選択や分かれ道、時に運も大いにありながら、社内外の人との出会いや関わり合いにより偉くなる人とそうでない人が分かれていきます。
分岐路で常に偉くなる方向の道を進み続けることは困難だと思います。時に回り道もあることと思います。
それでもゴールの方向を間違えていない人は、やはり総合的に会社に利益をもたらし、高い生産性を維持している人です。
その道の選び方や進み方が実績や信頼となり、最終的には大規模組織さらに言えば会社そのものの進むべき道を決める役割にまで就く可能性に繋がるということだと思います。
出世する人も会社や環境により様々ではありますが、共通項として本記事で挙げさせていただいた特徴を持ち合わせている人が多いのではないかと思います。
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