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2021/5/10

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新卒の適応障害

2021/4/17

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新卒退職言いづらい

2021/4/15

新卒が退職の思いを会社に言いづらい時の解決方法

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退職したいあなた

2021/4/10

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dx

2021/4/7

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限定正社員の限定性

2021/4/5

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2021/4/5

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人事の視点から管理部門と現場部門とに生じる溝についての現実を書いてみたいと思います。この溝を埋める解決手段は、

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人材育成

メンター制度は導入すべき?人事の現場の本音

メンター

こんにちは人事の夏沢です!

企業人事が本音と現実を書くことを本旨としている当ブログ。

筆者は企業人事として採用や人材育成、人事制度の構築など総合的に実務を行ってきた人事部門マネジャーです。

今回は、新卒社員の早期退職防止や中途採用者の定着に効果があるという「メンター制度は導入すべきか?」について。

昔は人材育成でもメンターなんていう言葉は使われていませんでしたね。しかし、今となっては定着した感がありますので企業人事の視点でメンターについて本音と現実を書いて行きます。メンター制度が導入されている企業の方でも、そうでない方でも人事視点での本音記事ということで参考にしていただけると嬉しいです。

メンター制度導入の理想と現実

メンターとは何者なのかの説明からさせて下さい。

メンターとは、指導者、助言者、相談者といった意味です。人材育成においてよく出てくる言葉です。

メンターは、研修会社から派遣されてやってくる講師でもなければ、業務の指導をする直属上司でもありません。メンターはもっと身近な存在。新入社員や中途社員といった新しい環境に馴染めていない社員をサポートする同僚または年齢が近い先輩社員がメンターになる場合が一番スタンダードなパターンです。

指導者というよりは、サポートやアドバイスをしてくれる身近な先輩社員というのが現実的かつ機能的なメンターです。そういう訳でメンター制度は、日常的な業務上の支援とともに会社環境に馴染んで行くことが出来るように困り事やメンタル面をサポートし、人材を育成していく制度として導入され始めました。ちなみにサポートされる側の社員(新入社員や中途入社してきたばかりの社員)はメンティと表現されます。

以前一般的だった育成制度

上司による新人指導
OJTによる新人指導

これら2つに代表される基本的な新人の受け入れ制度、育成制度は最近では最善の新人指導制度と考えていない企業も多いです。
上司は直接業務上の指示を出したり、業績目標を課したりする立場ですから良くも悪くもパワーバランスに上下が付いてしまいます。

OJTは現場での業務を行いながらの実践指導ですが、雇用形態の多様化や流動化により現場の先輩社員が必ずしも同じ目線や同じ尺度の技術・知識を有しているとは限らない環境が増えています。

つまり、従来の新人受け入れ制度がうまく機能しないのではないかと考える企業が増えたのです。それで登場したのがメンター制度という訳です。

メンターは上司やOJT担当ではないので直接仕事を与えたり、業務上のダメ出しをしてくることはありません。

メンターの役割

職場内の人間関係構築のサポート
悩みにのる等メンタル面のサポート
会社に馴染んでもらうための総合的サポート
会社独自の共通言語や共通認識の早期共有
問題があれば解決に向かって伴走してサポート

サポートする側のメンターになった社員にもいくつかのメリットがあるとされています。

メンターにとってのメリット

年齢の近い社員のサポートにより指導やマネジメントの基本を学べる
新たな責任感が生まれる
過去の自分をトレースすることで自分の立ち位置を確認出来る
サポートのための周旋がメンター自身の社内での協力体制や協調性の強化に繋がる

メンター制度についての人事の本音

ここからが人事の本音と現実です。

メンター制度について調べるとよく次のようなポイントが挙げられたりしています。

メンター制度についてよく挙げられるポイント

メンターとメンティ両者が相互的に利益を享受する関係であるべき
目標や成果などを共有する関係を構築する必要がある
メンターは育成計画を立てた方がよい
メンティの目標設定の段階からサポートした方がよい
人事、メンター、メンティの上司が取り組み内容に共通認識を持つこと

ごもっともです。そのとおりなのですが、人事の現場の現実から言えば理想論ですね。理想としては否定しません。

しかし、多くの他人が集まる組織の中ではこんな理想的には回りません。

メンター制度を導入している企業によくあるパターンを挙げてみます。

メンター制度でよくあるパターン

ティーチングやコーチングと差別がついてない

メンターの選定がただ年次が1つ上だからとか

メンター自身の認識が「新しく入ってくる社員の面倒を見ればいいんだな」程度

メンター自身がOJTだと思っている

メンターに求める役割が伝わってない

メンターが悩みの聞き方などに慣れていない

メンターが正直会社の人材育成の方針まで気にしてない

メンティ(サポートを受ける側)のキャリア形成のサポートをする以前に自分(メンター)のキャリア形成も明確でない

メンターが面談で何を話せばいいか分からない。面談頻度も段々減ってくる

メンター制度が機能しているか人事が効果測定出来ていない

これらがメンター制度あるあるです。

メンター制度を導入している社内で心当たりはありませんか?

メンター制度の理想と現実

人事の現場の本音を言うとメンター制度を本気でやろうとするととても大変です。

メンター制度を導入するにあたり事務局として人事がやるべきことというのがいくつか挙げられます。

事務局として人事がやるべきこと

メンターとメンティの組み合わせを決めて終わりにしない

制度の目的を明確化する

運用方法の策定と周知

事前説明や研修の実施

実際の組み合わせ決定と運用開始

運用フェーズでの内容確認(面談の実施確認や内容確認)

効果の検証と問題点の改善

そのとおりですね。はい、素晴らしいと思います。実際に全て出来ればの話ですが。

多くの人事がメンター制度専属の社員ではない訳で他の人事実務を担っていますからメンター制度のためにここまでやるは難しいのです。

例えば研修担当の内、数名がメンター制度導入や運用の専属としてそればかり考えていればいいということであれば全然出来ると思いますが、多くの場合そうではありません。メンター制度の導入と運用に業務の時間の大半を割くというのは難しい場合が多いと思いますし、だからこそ前述のメンター制度あるあるのような状態になりやすいのです。

まとめ

メンター制度という概念自体は否定しません。

良い先輩としてメンターが傍にいてくれれば心強いですし、特に新卒社員や転職したての社員にとっては大変ありがたい存在であることは間違いありません。新卒として企業に入社したり、転職して新しい環境に合流した際の大変さはよくわかりますし、採用する立場としては社員の早期離職や定着率について考えることも大切な業務のひとつです。

メンター制度についての人事の現場の難しさは、ほとんどの企業でメンター制度のことばかりを考えている専属担当はいないということ、メンター制度が「新人のお世話係」といったニュアンスで理解されていること、メンターになった社員が目的を理解できていないことなど本来の目的や意図と実際の運用面にギャップがあることです。

さらに言うとメンター制度の目的として「新人がひとりの人間として成長していけるようにします」とさえ書かれていたりするのですが、

いやいやいや、それは無茶ですよ。

メンターに指名された社員が、「よし!私がサポートすることで新人が人間として成長できるようにしよう!」と思わないでしょう。メンター制度の一番の問題は、理想と現実がかけ離れていることです。人事がどれだけ理想的なメンター制度を導入しようと思っても実際に動くのはメンターとなる社員です。その社員は人事とは限りません。

そういう訳でメンター制度のリアルは、新人が入社してきた際にしばらくの間なるべく密にサポートしてくれる社員が付くといったところ。でも、実はそんな社員が身近にいてくれることが新人にとっては大変ありがたかったりしますし、その関係性って実は長年にわたる結束に繋がったりします。入社時に自分のメンターを担ってくれた社員は、何年経ってもやっぱり相談相手だったりする訳で、それって結果的に業務だけでなく精神面を含めてサポートしてくれるという意味でも立派なメンターだなと思ったりもします。

理想論としてのメンター制度の運用は難しいものですが、メンター制度そのものは仮に教科書どおりに出来ていなくても社員同士のつながりやコミュニケーションを育むためのキッカケには十分になっているのかなと思うのでした。

人事にまつわる制度には本稿のように理想と現実にギャップがありながらもなんだかんだで価値が見い出せている制度があったりしますのでまた別の記事でもご紹介できればと思います。

今回はこのあたりで。

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